先日、著作権問題に一石を投じる判決が下りました。
講談社、KADOKAWA、集英社、小学館が
「クラウドフレア」に対して提起していた
著作権侵害訴訟について、2025/11/19に勝訴しました。
当件については色々と波紋を呼んでいます。
今回のメルマガで、内容を見てみましょう。
クラウドフレアって?
米クラウドフレア社に対する勝訴(著作権侵害判決)のお知らせ(講談社) >>>
クラウドフレア(CloudFlare)という企業は
あまり馴染みがないかもしれません。
インターネットの中にいる大規模なインフラです。
ちょうど先日、全然別件で大規模システム障害を起こして
「X(Twitter)」などがつながりにくくなったので、
もしかすると目にされたかもしれません。
いわゆる「CDN」と呼ばれるサービスです。
本当のサーバ(例えばWebページ)の内容をキャッシュ(コピー保存)し、
実際の利用者の物理的に近い位置に配置。
状況に応じて、クラウドフレアがそのキャッシュを見せることで、
利用者へのレスポンスを高速にするとともに、
本当のサーバへの負荷を減らすというサービスです。
(CDN・・・コンテンツ デリバリ ネットワーク というサービスです)
※他にも様々な機能があります
今回、何が問題だった?
いわゆる、マンガの海賊版サイト問題です。
違法にアップロードされた著作物(マンガ)のサイトを停止させたいものの、
クラウドフレアのCDNを介することで
本物のサーバが隠蔽されてしまいます。
また、キャッシュが残ることで、配信が続いてしまうという状況にもなります。
今回、クラウドフレアに削除依頼を出し続けていたにも関わらず、
クラウドフレアは適時・適切な対応をしませんでした。
そのため、著作権侵害の幇助(ほうじょ)にあたるとして、本採決がおりたということになります。
論点は?
クラウドフレアは、いわばインフラです。
本件に関する反対派は、
インフラの上で動いているコンテンツに対してまで責任を負うのか?
が主張だと思います。
以下は私見となりますが、
個人的には今回の採決は現実を通じた妥当な内容だと感じました。
(金額の妥当性は不明)
というのも、
著作権侵害に基づく米国裁判所からの情報開示命令を受領した後も
マンガ海賊版サイトへのサービス提供を続けているためです。
これはさすがに犯罪の幇助と言ってもおかしくはないでしょう。
また、技術的にも難しい話ではないと思われます。
昨今、SNSといったプラットフォームにおいても、
詐欺広告などが大問題になっています。
プラットフォームの責任はどこまであるのか?
という話ですが、
個人的には「大いに責任がある」と考えています。
コントロールできるのがプラットフォームのみであり、
そしてそれが社会正義と照らして大いに問題がある。
それは、インフラを担う資格がないと感じますね。
インターネットは、分散型の思想で生まれました。
しかし、インターネットが大きくなりすぎたことで、
逆に、一極集中になりつつあります。
一極集中による大規模障害なども増えてきています。
根本的に何か別のものが求められているのかもしれません。
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