データのバックアップ。
重要性は言わずもがななお話ですが、真面目に考えると難しいものです。
先日、弊社のNAS(データ格納庫)が急に故障し、リプレースしました。
やはり、その時に役に立ったのが、堅牢なバックアップ構成でした。
今回のメルマガでは、あらためて、バックアップについて考えてみましょう。
NASが故障した・・・
本当に、急な事件でした。
いきなり通信ができない状況となり、ネットワーク経由でしか接続できないNASでしたので、それ以上の状況が不明です。
電源は入るのですが、通常シャットダウンも正しい起動もできず。
NAS本体の故障と判断し、新機種への移行を開始しました。
データは随所に確保
データの紛失が一番面倒なので、ここはコストをかけて堅牢にしています。
まず、ディスク自体は当然RAID1(ミラーリング)しています。
2台のディスクに同じデータを書き込むことで、
1台のディスクが故障しても、大丈夫、という仕組みです。
(1台故障時、新しいディスクに差し替えることで、またミラーリング状態に戻せます)
そして、毎日の断面を違うNASにバックアップしています。
さらに、毎週の断面をこちらも違うNASにバックアップしています。
そうした状況もあり、
かなりの安心感を持って今回、移行を行ったのですが、
結論、NAS本体の故障でしたので、元々使っていたRAID1ディスク自体も無事でした。
作業手順的なところは、以下に記事化しております。
(ついでに、容量拡大なども実施しています)
https://gloria.cool/blog/20241114-nas-migration/
バックアップは工夫が必要
さて、上記でも手厚いバックアップに見えますが、様々なケースにおいてこれだけでは対処できません。(バックアップタイミングのお話ではなく)
1. 作業ミス
まず、作業ミスでファイルを壊してしまった時には対応できません。
よく、Excelファイルを上書きしてしまった、などありますよね。
こうした時は、スナップショットといって、バージョン管理できるような仕組みを導入します。(導入しています)
Macだと、TimeMachineが近しい機能ですね。
2. ウィルス攻撃
そして、ランサムウェアなど、ウィルス感染には弱いです。
というのも、潜伏期間にバックアップをしてしまうと、
ウィルスまでバックアップに波及してしまうからです。
復旧時に注意する必要があります。
3. ランサムウェアによる暗号化
また、ランサムウェアが発動した際に、バックアップデータまで暗号化されないことも重要です。
ネットワークでバックアップデータが繋がってしまっていると、
暗号化される恐れがあります。
NASをバックアップ時以外は非稼働(スリープやシャットダウンなど)させておく、コールドバックアップ(外付けHDDなどに出力して電源を入れない)をとるなど、対策が必要です。
4. 物理災害
そして、物理災害。
災害と書きましたが、飲み物こぼした、などでもダメになるリスクはあります。
また、特にDVDなどの光学メディアへのバックアップは、時間とともに読み込めなくなります。
異なる場所への配置が効果的ですね。
このあたりは、クラウドストレージサービスを使うと解決しやすいですね。
5. セキュリティ面はご注意を
セキュリティ面(情報漏洩)は弱くなります。
データの場所が増える分、盗難などのリスクも増えることになります。
バックアップデータの暗号化など、物があるだけでは簡単に使えないような工夫が必要です。
6. バックアップデータは、本当に使える?
ありがちなのが、バックアップを取得はしているものの、実際に使おうとした時に復旧できない、というケースです。
バックアップ製品を使う場合、その製品がないと復旧できない場合もあります。
バックアップデータが破損していることもあります。
一番確実なのは復旧テストを行うことですが、
それはそれで大変なので、どこまで確認しておくかは工夫が必要です。
正しい判断を
様々なリスクやコストを知った上で、バックアップの形を作りましょう。
バックアップは、増やせば増やすほどコストが倍増していきます。
デジタルデータ(ゼロイチ)は永遠かもしれませんが、それを保存する器は現実世界のものでしかありません。
バックアップは、本当に「備えあれば憂いなし」です。
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