【メルマガ】Nintendo Switch2に見る、転売行為(2025年06月10日)

2025年06月05日。
ゲーム機 Nintendo Switch2が発売となりました。

Nintendoの様々な転売対策が話題となりましたが、
蓋を開けてみる(発売日を迎える)と、メルカリや楽天フリマでは
Switch2の転売出品が溢れました。

今回は、こうした転売について考えてみたいと思います。

なお、当内容は私見であり、法律等に基づくものではない点、ご了承ください。

※ちなみに、私は当選に外れ続けているタチです。

転売における議論

色々な意見はあると思いますが、
転売における議論のポイントは以下の2点かなと感じます。

【転売肯定派】
資本主義なので、転売しても問題ない。
そもそも、小売店はみんな転売だろう。

【転売否定派】
メーカーの小売希望価格を超えて
売るなんて、けしからん。

価格の本質は、価値の積み上げ

私は、転売自体が悪というつもりはありません。
しかし、転売の内容によると考えています。

というのも、価格の本質は「価値の積み上げ」だと考えているためです。

今回のSwitch2でいうと、

・本体コンセプトの検討
・基盤設計・構築
・製造
・広告・宣伝
・流通
・それぞれの利益
など

といった、消費者に届くまでのそれぞれの価値が積み重なり、
価格が形成されています。

転売も流通では?と思うかもしれませんが、
今回のケースの大部分は違うと感じるため
大いに問題になっているとも感じます。

問題になる転売は、価値を作っていない

例えば、Switch2が朝早くから並んだら購入できるとしましょう。
並ぶ手間をするかわりに、代行者に並んでもらい、購入して貰う。
その分の手数料を渡す。

例えば、Apple Vision Proがアメリカでしか販売していない時に、
代行者に飛行機等も使い、購入して貰う。
その分の手数料を渡す。

それらの手数料について、憤りを覚えますか?
あなたにとって価値があるものなので、
むしろ「ありがとう」と感じるでしょう。

今回盛り上がっている転売は
こうした価値がありません。

行っていることは、

例えば、山からの水を町で使うために
必死に水路を作ってきたのに、

山賊がその水路を破壊した上に、
水を牛耳り、
町で水を欲している人に不当な高値で売っているようなものです。

転売の良し悪しは、
「それを対応する機能(今回だと、店から購入してフリマサイトで高く売る行為)が
なくなったとしたら、困ることありますか?」
と考えると、判断しやすいと思います。

不要な価値は排除が必要

今回は「転売」について考えてみました。

これらは資本主義が自浄できる範囲には限界があり、
だからこそ法律でコントロールする必要があるのです。

ITの世界でよく問題視される構造として、
多重請負があります。

発注者から先に何層も請負会社があり、
実際に作業を担当するX次請けの対価が非常に低い、という問題です。

多重請負自体が大きな悪ではありません。

間の会社は、エンジニア数の調整や
エンジニアの質を担保する機能(価値)を提供していますし、
完成責任も伴います。

こうした役目を果たさないのであれば、
それは価値がなく、中抜きとも言えるでしょう。

市場原理では解消できない不平等は、法律で解決。

そのために独占禁止法のような法律があり、
チケット不正転売禁止法などもできるわけです。

価値のない転売が簡単にできる(フリマアプリ等で)ようになった今、
何かしらの法整備が求められていると感じます。

メルマガ『Professional's eye
"意見が持てる"デジタルコラム

週1回配信、3分で楽しめます。

送信いただいた時点で「Privacy Policy」に同意したとみなします。
広告を含むご案内のメールをお送りする場合があります。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!